2001.6.27

手足口病について

病名のとおり手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。

場合によってはおしりやひざなどにできることもあるようです。熱は出ないで済むか出ても微熱程度のことが多いようです。

手足にできる水ぶくれはあまり痛くありませんが、口の中にできた水ぶくれは破けたりすると痛みが強くなって食べられなくなったりします。

手足口病にもお薬はこれといった特効薬はなく、のどや口の中の粘膜の腫れを抑えるトランサミンやレフトーゼ、ダーゼンといった消炎剤が使われます。場合によってはデスパコーワなどの消毒、消炎作用をもった口中用のぬりぐすりが処方されることもあります。この場合は飲食したあとに口の中の患部にぬります。お薬をぬったあと15〜20分間はお薬を患部に接触させておくために飲食を避けてください。食後とねる前の1日4回ぬるのが一般的です。手足の水ぶくれに対しては場合によってフェナゾールなどの非ステロイド消炎剤が処方されることもあります。いわゆるステロイド剤は用いません

熱やのど、口の中の痛みに対してはカロナール(アセトアミノフェン)やブルフェン(イブプロフェン)が多く使われますが、熱に対してはあまり積極的にお薬を使って熱を下げないほうがかえって早く良くなるケースが多いようです。ただ、口の中の痛みを伴う場合はお薬を飲んで痛みのやわらいだ時に水分などを充分に補給するよう、そんなお薬の使い方がベストです。

必要に応じてイソジンガーグルといったうがい薬が処方されることもあります。その場合、いわゆる「ガラガラ ペッ」ではなく、手足口病の場合には言葉で表現すると「ブクブク ペッ」「ゴボゴボ ペッ」で口を消毒してゆすぐとよいでしょう。SPトローチ明治など、口の中やのどの殺菌消毒薬が処方されることもありますが、使い方が理解できる子供さんでないと使用できません。

とにかく体力があれば3〜4日くらいの間に軽快していきます。

口の中やのどが痛い時はかまずに飲みこめるようなりんごのすりおろし、アイスクリーム、プリン、ゼリー、豆腐、おじや、グラタンなどがおすすめです。水分もポカリスエット、アクアサーナなどのイオン飲料や牛乳、麦茶、味噌汁、スープ類など充分に与えてあげてください。オレンジジュースなどの酸味のある飲み物はしみることもありますので注意してください。

食欲もあり、水分も充分に摂れ、おしっこも出ていればあまり心配ないと思います。口の中やのどの痛みが強く水分を摂れない時や高熱が3日以上続いている時や元気がなくぐったりしているときは医師の診察を受けてその指示に従ってください。点滴などで治療することもありますので。

お風呂に関しては、高熱でぐったりしている時以外OKです。ただし、体力を消耗するような長湯は禁物です。サッと汗を流す程度にして下さい。あせもの予防にもなりますから。もちろん主治医がお風呂はダメと言っている時はその指示に従ってください。

時として大流行する病気です。また、免疫がつかない病気ですので何度も繰り返してしまうこともあります。おとなにはあまりうつりませんがまれに大人の方にもかかります。

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