2021.4.9
2007.8.14
ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品とは、新薬と同じ成分、同じ効果で、お薬代の負担が少ない医薬品を総称して言っています。
その前に、後発品に対して先発品とは?ということですが、製薬メーカーが開発した医薬品を先発品やメーカー品等と呼んでいます。いわゆるブランド品ですね。
先発品は新薬として開発した医薬品を発売をしますが、やがて数年経つとその製造特許(?)が切れてしまいます。
すると、他のメーカーが同じ成分の医薬品を製造販売し始めます。
お薬の値段は厚生労働省が薬価基準として決めますが、初めて出てくるジェネリックについては、先発品の70%とされています。
ジェネリック同士での価格格差
たとえば 1錠300円の先発品A錠に数社のジェネリックが登場したとします。
登場したときはジェネリックB錠もジェネリックC錠もジェネリックC錠210円の薬価がつきました。先発品の70%とされているということですね。
しかし、各ジェネリックメーカーはこの210円の薬価を元に値引き合戦をして販売します。
通例2年で薬価の見直しが行われます。メーカーが薬価からどれくらい値引きをして販売しているかを厚労省が調査します。いわゆる薬価調査です。 次回の薬価基準は実勢価格を元に定められます。
たとえば、210円の薬価のものを
170円で売っていたジェネリックB錠は 180円になりました。
150円で売っていたジェネリックC錠は 160円になりました。
120円で売っていたジェネリックD錠は 140円になりました。
こんな具合にジェネリックも数年を経るとメーカーによっては価格が変わってきます。
これまでのジェネリックと違うところ!!
これまでのジェネリック医薬品は、先発品の特許が切れると多数のメーカーから発売されたことことから「ゾロ品」とか「ゾロゾロ」などと呼ばれていました。
ジェネリックメーカーがそれを安価で販売することによってそれを使用する医療機関がいわゆる‘薬価差’を収益にできたため医療機関では経済的理由から使用されていたケースも少なくないと思います。
これからの時代は、厚生労働省が迫り来る高齢化社会と医療保険財政を考えて、ジェネリック医薬品が安価に患者さんに提供できるところに着眼したということです。
薬価差もほとんどなくなりましたが、それでも先発品よりは若干安く納入されているということも事実です。
医療機関でも経済的理由で使用されていくことには変わりないと思いますが、その経済的理由は保険料を支払っている患者さんの負担を軽減するものであることが大事かと思います。保険財政が破綻しては先発品もジェネリック品も選んでいる場合ではなくなってしまうということですね。
でも、安かろう、悪かろうの医療、医薬品は薬局も提供できません!
ジェネリックの問題点
ジェネリック医薬品にもいくつかの問題点を考えておかなければなりません。たとえば・・・
☆ 実際にヒトへの臨床治験が行われていない
☆ メーカーが製造を中止してしまう(売り逃げ?)
☆ 先発品と同等の効果が期待できないものもある? 眠れなかった? 痛みが取れなかった?
☆ 医薬情報担当者の配置状況から、副作用発生時の情報収集が円滑に行われるか?
処方せんを調剤する薬局としても
☆ 在庫の増加
☆ 入手しにくい など
ジェネリックのメリット
☆ なんと言っても安い!!ということ
☆ なかには、先発品の粉薬よりも味が良くなって飲みやすくなったものも・・・
☆ 錠剤を小型化して飲みやすくなったものも・・・
☆ 剤形、製造方法を変更して飲みやすくなったものも・・・
先発品とジェネリックとの薬価差
たとえば・・・
メバロチン錠10mg 131.40円
プラバチン錠10mg 75.10円 1日1錠30日分を保険点数に換算して3割負担で450円負担減
ムコダイン錠250mg 11.30円
サワテン錠250mg 6.40円 1日3錠5日分を保険点数に換算して3割負担で20円負担減
ジェネリック? どうする?
セイワ薬局ではあくまでも患者さんの意思を尊重し、ジェネリックへの変更を希望されるかどうかを確認しています。
ジェネリックを選択するかどうかは患者さんが決めることですが、その判断はむずかしいと思います。
悩んだときこそ、薬剤師にご相談ください。
ちなみに、患者さんから薬局に‘お任せ’といわれたときには、処方せんに書かれた先発品を調剤しています。
しかし、これは先発品を推奨していることではございません。
セイワ薬局のジェネリック採用基準
☆ 品質の保証できるメーカーのものであること。
☆ 医薬品の安定供給が可能なメーカーのものであること
☆ 副作用等発生時にMRが対応可能なメーカーのものであること
メーカー名で言うと、沢井製薬、大洋薬品、東和薬品、日医工などを優先しています。